女の子がかわいい合作の考察 (#sm42784298)

 こん虚無。新人メドレー作者の有城ジョージです。

 まぁでも有城、最近全然メドレー作ってないけどその肩書でいいのか?みたいなことは今回はあまり関係ありません。これは音MDM天のとある動画に関する記事なので。

 

本題 女の子がかわいい合作(sm42784298)について

www.nicovideo.jp

 ヤバい動画ですね。有城怖いのダメなんだけど。勘弁してくれ。有城はさぁ……メスシリンダーさんのファンだからさぁ……普通に良い動画が見れることを期待してたのにさぁ…………思ってたのとベクトルが違う方向性の傑作を作ってくれちゃってさぁ…………

 最高(最悪)だよ。脳内で感情が喜怒哀楽全部どっ散らかっちゃったよ。

 

 ということで、あの動画についてきちんと考察していきたいところなんですがさっきも言った通り有城は怖いのがダメです。ああいうのはどう考えてもコマ送りで全シーンじっくり見ないと見逃すネタがも~りもりな気がするのですが怖くてそんなこと到底出来ません。なので大体は有志がTwitterで該当箇所の画像をアップしてくれていたものを見ての考察になります。みなさんありがとうございます。

 

3つのレイヤー

 何度も述べた通り有城は怖いのダメなので2、3度しか見返せていないがおそらくこの作品の「3つの世界」からなる構造には繰り返して動画を見た多くの視聴者はとっくに気づいているのではないだろうか?

 あの動画は3つのレイヤーからなる世界によって構成されたメタフィクションである。

1つ。我々やAquariusのお二人のいるこの世界。

2つ。音MADの世界。

3つ。シンセシス合作を計画した音MAD作者達のいる世界。

 本来交わらない3つのレイヤーを重ねて、関係のあるものに仕立て上げていく。それこそが彼らAquariusがやってくれやがった質の悪い呪詛なのである。マジふざけんなよ。有城は怖くてトイレいけなくなりかけたんだからな。

タイトルの「(変わるかもしれません)」に込められた真意

 さて、皆さんはあの動画のタイトルを見て「変な動画名だなー?」とは思わなかっただろうか。だが終盤の演出やAquariusの2人のどちらでもなく那須ピーマン氏による代理投稿という形が取られた点も含めればおおよそ意図は掴めてくるのではないだろうか?

 あのシンセシス合作は完成せず、投稿されなかったのだ。

 音MDM天は音MADの祭典だ。あれは音MAD作者2人が夢のタッグを組んで作品を作るという趣旨の企画である。そのため、必然的にその動画は作者二人による合作形式となる、はずである。しかし、それにしては本来13分38曲という大ボリュームを誇る

otoMAD-synthesis.midというメドレーを使うのは労力が大きすぎではないだろうか?それほどの長さを2人だけで作ろうとすれば必然1パートあたりのクオリティも下がってきてしまうのではなかろうか?いやでも完成したものを見たら終盤は端折って9分になってるとはいえ各パートの作り込みはマジですごいしマジであのお二人が合作した音MADが見られるの普通にうれしいなぁとは思ったんだけども。特にカジオーパートの裏の真面目にやってる部分とかめちゃめちゃちゃんと作ってあるじゃないの。そっちを見せなさいよそっちを。カレーを食べに来たらケーキバイキングをお出しされた感覚なのよ有城は。いやいいんだけども。よくはねーな。

 失礼。ちょっとくらい本音も語りたいと思っただけなのにもったいない気持ちが大きすぎて本題から逸れ過ぎました。

 ようはアレですよ。あれ、終盤に見えたディスコードの会話や徐々に黒で埋まっていくスプレッドシートの描写からして、劇中世界ではあのシンセシス合作は本来は十数人単位での大きめの規模での合作だった体なんじゃないの?っていう話ですよ。だからAquariusのお二人じゃなく那須氏からの代理投稿なんですね。アレはオチで語り部が死んじゃうタイプの怪談なので。

女の子の死因と新聞

 さてそうなってくるとちょっと気になることがあります。動画内では何箇所か誰かの「死因」らしきものが映り込むシーンがあります。ではあれは一体誰の死因なのか?合作参加者?それとも件の女の子?エロう丸さん?

 実は死因は何種類かあって……まぁ有城は怖くてよく見れないので細かいところは各自で探してほしいんですけど。まぁえっと。少なくとも「バラバラ殺人にあった複数の少女(要約)」「車両事故(要約)」「ケーキで餓死(詳細不明。ビジネス・金融のあたりに写ってます)」などの情報が見られます。じゃあやっぱり複数人が死んでるっぽいから合作参加者かな?

 で、そしてそのうちの一つ。大きな手がかりになりそうな要素、序盤、おにまいパートの新聞なんですがおそらく元ネタらしきものを見つけました。

sagazaki.tumblr.com

 これ、CC BY 4.0じゃない?

 いやまぁ音MAD作者にCC表記を守れってのもなんか変な話だけども。

 とりあえず気になるのはこの辺ですね。

大多喜氏が変死。「神代文字石板」盗難か?

 

……これ、クトゥルフじゃない?

 じゃあこれを深掘りしてもそこまでことの本質にはたどり着かないってこと?

 まぁいいや。残りはこの辺です。

州勲森公園付近で大規模な遺跡が発見

失踪児童の家族三人が行方不明に 嵯峨崎市巌室(2013年10月17日)

駅前にて少女の死体遺棄

 

 うーん。まぁうん。一番下のやつはまぁちょっと近いけど。これ普通にそれっぽい不穏な新聞記事のサンプルが必要だったからテキストを借用してるだけで全然本質と関係なさそうだな……

 一番下のやつだけ妙にそれっぽいのは気になるけど普通に関係ないしなぁ。

 

 いかがだったでしょうか。調べてみましたがよくわかりませんでした。

 いやだってさぁ……ちょっと枯れ尾花感ない?

 クトゥルフでは……ないじゃん。流石に。知りすぎないほうがいい真相というものもあるのかもしれないなと思いました。

 

個人的な感想

 ここからは考察じゃなくて個人的に抱いた感想の話をします。長いし駄文です。読まなくていいです。

 普通に水主さん達の合作が見たかった。Aquariusの動画も有城の趣味とは合わないとはいえ、好き嫌いじゃなく絶対評価で言えば完成度が高いことは疑いようはないです。でも個人的にはなんか知らん存在が混入してない、水主(この人が主催ってことでいいの?わからん)さん達が普通に完成させたシンセシスMADも見てみたかった。少なくともカジオーはあるんですよね?Aquariusのお二人におかれましてはそっちの単品が上げられたりとかしないかだけでも検討をお願いします。あのクオリティのものがああいう使われ方をして終わりなのは流石にもったいなさがすごいじゃんかよ。

 次、女の子について。あの子言うほど音MADにされた女の子感は無くない?有城があの子に対して変にしゃしゃり出てこないでほしいと思ってるのは主にこの辺が理由です。音MAD、特にYTPMV系の編集だと音声のタイミングと連動させて配置した映像を動かしたりするじゃないですか。あれって素材が音を出すのに合わせて映像の反転やなんかが起こるわけですけど、それで言うとあの女の子の場合はあの女の子が動いたから音が出てる感じには受け取れなかったんですよね。がっこうぐらしパートとかかなり映り込みが顕著だったのに大抵のパートでは映り込んではいてもそれによって音が増えてたわけではなかったじゃないですか。「お前は本質的には雪原ステージのノコノコなんじゃないのか?」と感じます。なんかこう……あくまで本来は元々のアニメの素材だけで音は足りてるんですよ。なんだけどそこにあの子が割り込んできてるせいで音が邪魔されたり…………怖くて音量あげれないんですけどたぶん部分によっては置き換えられたりしてるっぽいんですよね。RED ZONEパート、顔が歪んだ当たりからは若干髪型が違ってるように思えるけど赤ぞねといえばやりすぎた音声波形の編集なのでそれで誤魔化して違う素材当ててたりしない?

 やめてくれよ。俺は普通にシンセシス合作を鑑賞したいのに。それが彼らのやりたかった表現なんだろうからAquariusには恨みはないけど件の女の子には恨みがあるよ有城は。ここは勘違いしないでほしいんだけど音MDM天という舞台で見たい作品は水主さんの「かわいい女の子合作─girlsMAD-synthesis.cgdct─」ではないんですよ。それが見られなかったことは非常に惜しいけどね。Aquariusという作者達のことは好きなんですよ。でもやっぱりいざああいうことをやられたら「もったいねぇ」の感情を抑えることはできないよ。たまにはどす黒く渦巻いたその感情をさらけ出したくもなるよ。

 それはそうと、やっぱり微妙に思想が違うなと思うところもあります。なんかこうねぇ……俺だったらこうするっていうのと若干ズレてるせいで微妙に有城の中にもある「素材を加工することに対する罪悪感」みたいなのと、今回お出しされてる「普通にそういうホラー」と「メスシリンダーの性癖」みたいなのが一致しないんですよね。他の人が言うような音MADを作ることを咎めるみたいなニュアンスよりは普通に「そういうホラー」のニュアンスを強く感じます。

 たぶんここはお二人も「流石に既存のキャラでこういうコンセプトのことをやるのはその作品に対する敬意を欠くし本質が伝わりづらくなるだろう」と考えて一からキャラクターを作っているのだろうとは思います。嵯峨崎地域新聞の人形師の下りからするとおそらくあのキャラクターも複数の素材を統合させた総意を表現する思念体なのかなという気はするのですがやっぱり本来の素材はコイツじゃないのに「音MADが作られたせいで私達は切り刻まれました」みたいなことを言われてもちょっとピンと来ません。あと有城はコイツに対しては終始恐怖しか抱いていなかったのに「私が痛い目に遭うのを見て笑っていた」みたいなことを言われるのも普通に心外でした。いや、普通に怖いが?なんなら普通に原作のソーニャの振るう暴力も若干怖いが?

 あとやっぱり完全に彼女自身のパートに移行するのが赤ぞねパートなのあたりはよく言う「素材の味が死ぬ」という部分は意識ししているのかななんて思ったりもします。それならちょっとは共感できるからです。有城は音MADを作るときは結構、人力ボーカロイドをしたり別々のセリフをツギハギして原作では言ってるけど音声にはなってなかったセリフを生成したりはします。そういうときは文字では言ってたセリフでもそれを無理やり別の文脈の別の箇所からの音声で実現することには多少の抵抗はあります。

 でもそれは元のキャラクターの同一性を損ねることに対する申し訳無さであって編集をすることそのものにではないんですよね。著作権者に対する罪悪感と、著作隣接権者に対する罪悪感と、同一性を損なうことに対する罪悪感と、切り分けるような編集を行うことそのものに対する罪悪感はそれぞれちょっと違くないですか?人によって罪悪感のツボはそれぞれだとは思いますが個人的には自己同一性の危機だけにスポットを当ててくれればもっと怖がれたのになぁと思います。

 あと純粋に表現が良いっていう話もさせて。

 アニメーションの絵柄に擬態するのめちゃうまくないですか?ヤバない?めちゃすごい。おにまいパートとか……ゆゆしきパートとか所見は全然気づきませんでした。

 あとカジオーはもちろんのことその一個前のRock My Emotionsパートもよかった。YTPMV的なアイコンと音の連動と横スクロール風の画面構成で見せる演出も良いしなによりミスリードがうまい。「やすななら理不尽なダメージとかはあるかもしれないけど流石に首は取れなくない?いやでもあの作者だしな……」と思ったところにあのシーンチェンジですよ。誰だお前ッ!?

 そのあとまどマギのパートを飛ばしちゃうのもうまい。あんなん描写されてないけど「みんな死ぬしかないじゃない!」って言ってるとしか思えないですからね。代理投稿だしね。

 あとやっぱり純粋に編集に気合が入ってるのを感じます。『「本領を発揮するのは後半に入ってから、前半は普通によくある程度の動画」なんて言わせないぞ』という意気込みを作り込みから感じます。やっぱ純粋に音MADがうまいんだわ。ウマ娘パートとかめちゃくちゃいいじゃないですか。良パートに限って気軽に見返せない構成やめろ。クソが。

 がっこうぐらしはアニメちょっと見たからこそ画風の模倣は完璧なのに異質さが勝って怖いよ。そこにそんなキャラいなかっただろ!きれいに溶け込むなよ!

 

総評

心底良い動画だよクソが。

あBY あ4.0